寸足らずの靴下

 戻りたいと誰もが 何もかも忘れ去ってゆく

 風は強くなるばかりで 何が失われた

 冬の空気が突き刺さるのは あなたがまだ遠いから

 春の風が疎ましいのは あなたがまだ見えないから

 あてもなく歩き出す僕の目には

 懸け離れた夢を器用に忘れ去る 儚く心を無惨に押し潰して

 諦めるならこのままで あなたを思う心を闇に閉ざして

 消えかけた朝にあなたを思い出す

 何を見失う

 何を失う

 何を

 何を